もうだいぶ前の話だけど、娘が初めて香港で発熱した。
シーズンがシーズンだけに病院に行って診察を受けるのも一苦労。
COVID-19の影響により、診察を受ける病棟が限定され、予約がなかなか取れない。
診察結果は突発性発疹。
突発性発疹は、夜になると途端に40度近くまで発熱する病気らしく、数日もすれば熱が下がり全身に発疹し完治するとのこと。
それにしても熱があるとわかった時は、本当に怖かった。
抱っこすると、なんかいつもより身体が熱いなと思い体温計をあてたらコレ
本人はめちゃめちゃ普通で元気。
でも体温計が記してるのは全然普通じゃない。
救急に連絡を入れて、後日電話予約、そして診察を受け、完治に至る。
海外駐在で、この時ほど通訳さんがいてくれて助かったと思ったことはない。
診察当日通訳さんが居てくれたから、病名と症状がわかり適切な対応をすることができた。
roseola infantum
exanthem subitum
とか口頭で言われても、僕一人だったらマジでポカーンだった。
英語を含めある程度現地の言葉を話せるようになっても、子供や妻のこととなると全く別の話で、大丈夫だと確信できるまで全く冷静な行動をとれていなかった。
いろんな『もしも』が頭をめぐって正常な思考ができない。
不安で怖くて、こんなにも日本に近い香港に居るのにも関わらず、海外で生活しているということをわからせられた。
独り身の時は感じたことのない、強烈な不安と恐怖だった。
不安や恐怖と言えば、最も怖かったのもここ最近の話で、
香港で新居に引っ越した初日に起こったこと。
引っ越し荷物を片付けているときに娘が寝室に入り内側から鍵をかけてしまった。
今だったら「鍵を開けて」ってのが伝わるかもしれないけど、
当時の娘はそれを理解できるはずもなく、ただ部屋の中でギャン泣き。
引っ越して数十分の出来事だったから、寝室の外側から開ける鍵があるかどうかも知らなかった。
ってか結局鍵は無かった。
サービスアパートメントでも、こんなことが起きる!コレも海外だからご愛敬!独り身時はそうやって楽しんでいた。
・・・が、今はそんなわけない!
とにかく焦った。当時妻も僕も混乱していた。
僕はとにかく急いでレセプションに状況を伝えに行ったが、レセプションには人がおらず緊急時の電話番号にかけて状況を説明、スタッフさんは大急ぎで駆けつけてくれた。
その間、妻は重い扉越しの娘に「大丈夫!大丈夫!」などの言葉をかけ続けてくれていた。
部屋からは「だっごぉぉぉだっごぉぉぉぐわぁぁぁぁままぁぁぁぁぁ」と発作を起こすほどに泣き叫ぶ娘の声が聞こえていた。
スタッフさんが大急ぎで寝室の扉を開けてくれて一件落着!だったけれどもこの日のトラウマは一生忘れることが無い。
娘にってよりも僕たち夫婦にとってトラウマの出来事だ。
もしも娘が泣いて暴れてベッドの角に頭をぶつけたらとか、嗚咽と発作で過呼吸になったらとか、
最悪ドアをぶち破ればいいだけだったんだけど、当時そんなことを考えて自分を安心させることすらできないほど混乱していた。
娘や妻のことになると途端に怖くなる。
小学校のときから付き合いのある親友のお母さんが、
「この子が生まれてから喜怒哀楽が二倍なの」って言ってたけど、
やっと言葉の意味を実感できるようなった。
最近のコメント