娘に宛てた言葉002「慣れたら衰退するだけ」

3年近く前に後輩社員たちへ宛てた言葉。

「常に挑戦する機会は自らが作り出さないと、
実感できるほどの成長は得られない。
慣れたら衰退するだけです。」

偉そうにメッセージしておいて、
ブーメランのごとく自分のもとにかえってきてぶっ刺さった。

キッカケは後輩社員との2年ぶりのコミュニケーション。
昇進おめでとうございますの返信で返ってきたのがコレ。

「部署を去る際に仰っていた、『慣れたら衰退するだけ』という言葉が当時の自分にぶっ刺さってて、今でもそれを忘れずに仕事してます!感謝してます。」

感謝してるのはこちらのほうです。。。

まさに今、衰退している自分を気づかされてしまった。
今の仕事や環境に慣れはじめてしまっていることに、
不満や不信を抱けるほど余裕ができてしまっていることに。。。
過去の自分にわからせられてる。。。

約7年前、
千葉から東京へ向かう途中
車内から見た高層ビル群を見て
必ず大都会の第一線で活躍するんだ!
と、ゴール設定して大企業に転職をした。

あっという間の6年ちょい、
都心勤務から海外勤務、海外在住で何ヶ国かを渡り歩くような仕事をするようになった。
7年前にピンと張ったゴールテープは切ってしまっていた。

したらここ最近、
迷ってばっかり。。。
ゴールのその先を描いていなかった。。。
どこに向かえばいいのかわからない。。。

多忙であることが、
前進しているかのように感じてしまっていた。

あーそうか。。。
大きな仕事がやりたかったわけでも、
偉くなりたかったわけでも、
承認欲求を満たしたいわけでもなかったのか。。。

こんなにも自分がわからなくなることがあるなんて。
家族と離れて一人で暮らして、
平日週末、昼夜問わず仕事に没頭する自分に満足していたし、
それが家族にとっても自慢になることだと思っていた。

ちょっと時間ができて自分のことを考えてみたら、
仕事以外何もない自分を知ってしまって吐きそうになった。
自分の父親と全く同じルートだコレ。。。

父さんは仕事だけだった。
幼少時、帰国していた父さんを「知らないおじさんがいる」と
母さんに泣きついたほど一緒に暮らしたことがなかった。
お金を心配することはなかったし、ビジネスマンとしての父の姿は何回か目にした。
そのおかげで、育ててもらった分の恩返しも含めて、
父さんを目標に努めてきた。

でもきっと家族で僕だけが知っている。
父さんが長年海外で一生懸命仕事をしているその背景で、
母さんが家の鏡に向かって気が狂ったように何分間も言葉を発し続け
何かを発散していたことを。
誇らしい父さんがいて、お金の心配がない家族でありながらも、
家族全員がそろうことはほとんどなく、息子が母さんの異変に気付いてしまっている家族。
父さんみたいになるのだけは絶対に嫌だった。
だったのに。。。

会社員として
求められることを
家族より人生より欲求より
優先して応えようと務める自分に慣れてしまっていた。

そりゃ仕事以外の何もかもが衰退するわけだ。。。

7年前
今より金はなかったし
社会的な地位もなかったし
自分の家族もなかったけど
今よりもずっと人生を謳歌していた。

今の僕は、
何を楽しんでいる人間なのか
何が楽しいと感じる人間なのかさえわからなくなってる。

こんだけ不感症な心を身につけることができたんだ
そりゃーあらゆる業務や環境やストレスにも慣れるわ。
数年前に夢を叶えたところでなんとも思わねぇ心を育ててしまっていたわ。

今こうやって気づけたことがありがたい。
今世は嫁さんを世界一幸せにしたいんだった。

1人離れて暮らさせてもらって、
子育てを任せっきりで、
仕事をまるで家族のためです面で没頭して、
こんな自分になりたかったのか。

「お前はお金もらっても褒められても偉くなっても、
嫁さんや娘から得られるレベルの幸福感は一切感じれないぞ。
あとソレ、家族のために・・・とか思ってんだったら、
父さんの二番煎じで後々後悔する展開待ってるぞ」




ってことを娘からこんな顔して言われたい。

20、30年後、あなたが同じような展開を迎えないことを願います。